■ORDERその6 コインケース(馬蹄形型テイスト)


コインケース完成写真革素材はLEE'S PRODUCT定番のオイルヌメ キャメルブラウンを使用、金具はアンティーク、糸は新色グリーンです。現時点でのLEE'S PRODUCTの持てる全ての技術を駆使して作ったと言ってもいい今回の作品。製作途中で『ホントに出来るのか?』と半信半疑で作業を進める事もしばしば...wしかしそこは精度の良いCNCで切削された木型だったり、型紙だったりがしっかりとフォローしてくれました。製作当初はスマートキーカバーの延長程度と安請け合いをしてしまって後にも引けず...w見積もりも正直大幅オーバーw ですが、まだ趣味の範囲での活動ですので逆に色々勉強させてもらえたいい題材でした。

■制作期間:約3.5ヶ月

■制作費(今後予測):¥27,000

コインケース完成写真 コインケース完成写真

■STEP01 (オーダー/受理)
ポンチ絵今回の依頼は当方のオリジナル作品であるスマートキーカバーをご購入頂いた方が大変気に入って頂き、このカバーをモチーフとしたコインケースを製作して欲しいとの依頼からスタートです。『何か』のカバーではない、何かをカバーする訳でもないので、そういう制約のないオリジナル性を問われるオーダーはロングウォレット以来です。久しぶりに武者震いですw

※写真はLEE'S PRODUCTオリジナル スズキ用スマートキー。

■STEP02 (アイデア展開)
完成基本、具体的なアイデアが決まらないと精度の高い見積は出来ませんが、発注する側もおおよその金額が分からない事には頼めるものも頼めません。オーナー様には申し訳ないのですが、大凡の金額をお伝えし、了解を頂きました。もちろんそれ以前に現在お使いのコインケースの事や要望はメールにてやり取りしての1回目提案です。アイデアとしてはA案という事でA案のそれぞれ2案についてリファインをかけ2回目の打合せにて左画像の右側のアイデア“ideaA2_1”に決定しました。
※下画像は1回目提案のそれぞれ左からA案、B案、C案
完成 完成 完成
■STEP03 (完成予想図確認→合意)
完成予想図アイデアの方向と金額が決定しましたので、具体的な意匠提案のステージに入ります。メールにてさらにオリエンテーションを重ね、必要条件を精査し提案していきます。このステージも都合2回のご提案で合意に辿り着き製作の方に入りました。最後まで悩んでおられたのは収納力か?全体のサイズか?という事でしたが、最終的にはサイズを優先し、裏側のポケットを追加するという事で決着です。ポケット追加は型製作も発生しますのでさすがにそのままの金額では受け難く、型追加という事で金額の上乗せの了解を得ました。

※下の画像は1回目の“完成予想図”
完成予想図

■STEP04-1 (木型製作)
DATADATA製作には慎重に慎重を重ねました。今回のケースの特長はなんといっても『革の重ね』です。表は蓋(本体)〜中ポケットの構成で革が3枚。裏は裏ポケット〜本体で2枚と重なる部品が多く、またポケットになる部分はピッタリ合わせるのではなく革同士の隙間を0.5mm取ります。実際DATAを作る最中勘違いを起し、やり直しを何度かしましたw

DATA

■STEP04-2 (木型/型紙)
木型上記でも述べたように『重ね』が多くある作品ですので、サイズの割には大量の木型群となりました。その数型紙もあわせると16点(写真には2点入っていませんが...)単品でこれほどまに木型を投入した作品は他にありませんw

■STEP05 (製作経過)
型絞り作業今回使用した革は当方の定番革『オイルヌメ キャメルブラウン』 削り出した型を使って革を絞っていきます。実は1回目は型の剛性が足りず、押さえムラが発生しました。型を補強して2回目で成功です(写真は1回目の作業時)

押さえる強さや時間等、最近は色々とノウハウが溜まってきました。
ですが、まだまだ日々勉強です...

抜き出しどんどん、型を抜いていきます。今回新たに(というか改めて)発見したのは革厚を1mmにして型を抜くと自分の意図する工業的な造形に近づける事が出来るという事。革の厚みは品質に繋がる問題と考えてますので、成型できる範囲で出来るだけ厚いものをという考えで2mm厚一辺倒でやってきたのですが、今後は意匠によっては1mmやそれ以下の薄さで作っていくかも知れません。写真右側のパーツ(内ポケットのインナー側パーツ)は1mmで成型しています。スナップホックが入ってくるあたりのザグリの角がピシッと出ているのがよく判ります。

合わせ抜き出したパーツを重ねます。さすがDATAを元にCNCで切削された精度の良い型ですから恐ろしい位ピタリとはまります。こうやって改めて写真でみますとまだ少し押さえムラが発生してますね、今後の課題です...

ロゴ位置そして今回の作品ではロゴの入れ方に一工夫してみました。
元から裏ポケットにはものを取り出し易いように切りかきを入れるつもりにしてましたので、その形を当ブランドロゴに合わせてデザインし、そこを避けてロゴが見えるように位置を工夫しました。こういう少しの事なんですが、今後も拘ってやっていきたいですね。

■STEP-06 (完成)
完成革の張り合わせ、縫合、革端成型/コバ処理はいつも一気にやってしまうので経過画像はありませんw という事でいきなり完成です。ご依頼メールを頂いてから3ヶ月半。当初の予定は3ヶ月でしたが、オーナー様の計らいでじっくり慎重に作業を進める事が出来ました。この場を借りてお礼申し上げます。
完成 完成 完成 完成 完成

■STEP-X (おまけ)
おまけ今回、作品の特徴としてキーホールの設置があります。この手のコインケースにはあまり無い物かと思い是非オーナー様には活用して頂きたく2種類のキーホルダをおつけしました。一つはダイレクトにつけていただく『超ショート』ポケットの外に出しておく事で、本体を引っ張り出しやすくなると思います。そしてもう一つはスタンダードなループベルトキーホルダ。ロングウォレットのようにチェーンでコインケースを繋ぐ時に是非使ってもらいたいw もちろんコインケースとお揃いの革と糸を使い統一感は崩しません。もちろんキーホルダ単体としても使ってもOK!
おまけ おまけ


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