■ORDER No.013 携帯ケース(G's_ONE X)


完成写真今回の依頼はORDERその6でコインケースをお作りしたオーナー様からです。いつもありがとうございます。世間ではポピュラーな携帯ケースですが、よくよく考えるとLEE'S PRODUCTSとしては処女作となります。というのも当方ピッタリサイズを身上に製作しますので、どうしても実物測定という作業が発生します。キー等は予備キーで対応して頂けるので結構貸し出しは容易かと思いますが、やはり携帯は1日たりとも手放せない、ましてや他人の手に渡るのは不安で仕方がないと思います。
今回はオーナー様に動いて頂き、携帯SHOPからサンプルを借りて(後に貰い受け)頂き測定など対応しました。携帯ケースを考えておられる方はサンプルを入手しておいて下さいw
画像作品の革はオイルヌメのキャメル、糸は麻(エスコード)のグリーン、金具類はアンティークを使用

■制作期間:約2ヶ月

■制作費(今後予測):¥26,000

完成写真 完成写真

■STEP01 (オーダー/受理)
キーケース今回はオーナー様も2回目という事で、当方の作業での必要な事柄等良く理解して頂いておりましたので、測定作業をどうするか?という問題を事前に解決して頂いておりました。『携帯SHOPでサンプルを借りる』作戦ですw
ちなみに左の写真はスキャナー(普通は紙資料をスキャンする極普通のものです)で撮ったものをソフトで合成したものです。カメラで撮るよりも図面視に近い状態で撮影できるので重宝してます。
■STEP02-1 (コンセプト展開)
当初は『ジッポーハンディウォーマー』のようなという事でスタート。コストを軸に4つのアイデアを展開。
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革絞り手法を使わない制作方法。木型を使用しないZIPPOハンディウォーマーカバーと同じ手法によりアイデアの中では1番の低コスト案。
上部の1箇所に切り込みを入れて指などを入れやすくし、取り出し易さに貢献。また蓋部には2つのホックを取り付け、収納時の橋渡しの役目とし、カバーが広がらないように工夫。

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表裏同じ木型で製作する事でコストを抑える案。上部には大胆なスリット形状を設け、携帯の取り出し易さに貢献。また蓋部は大胆に長くとって、サブウインドウ用の丸穴を意匠として取り入れ、奇抜さを演出。

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横型のアイデア。ケース底部のみで蓋部と結合する事で蓋を開けた際にはケースは斜めに傾向き取り出しやすさを考慮。また蓋部の裏に2本のスリットを入れる事によってベルト通しとします。

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ケース表裏をイレギュラーな形で切り分ける事によって、面白い開閉構造を演出。ただ面白いだけではなくケース開放時には携帯の上半身が露出し、取り出し易さも考慮。ベルトにはマジェスティキーカバー同様、ナスカンとのハイブリットとし、腰にベルト固定でも、キーホルダーなどに繋げる事も可能。また特殊なスナップを使う事で意匠面でも新規性に貢献。

当方お勧めはD案でしたが、、、
『Bプランで蓋部がもう少し短いAに近い感じで、ホック一つで(二つははめづらいかと) スリットは半分よりも上で(携帯のバンパーを引っ張ることにより引き出しやすいので) ベルトはDタイプでハイブリッドのような。』と具体的なリクエストを頂き、一気にイメージが固まりましたのでオーナー様合意の下、意匠展開フェーズをすっ飛ばし、最終意匠提案のフェーズに入りました。
■STEP02 (完成予想図確認→合意)
完成予想図1最終意匠といいましても、意匠展開フェーズをすっ飛ばしてますからまだまだ意匠的にいじくる時間はあります。よってイメージはどちらかというと面白く大胆にして、やっぱりやり過ぎかな?という感じで収束するイメージで1発目を仕上げました。

完成予想図22回目です。大きな変更はハトメをカシメに変更、4隅で止めていた金具を最小の2箇所に変更という内容です。この案で最終の合意を得て作業に入りました。

■STEP03-1 (DATA製作)
DATA今回、携帯サンプルを細かく測定しましたが、よくよく考えるとケースから引っ張り出す作業があるのでケース自体引っかかりの無いものにしなければなりません。
つまり...最大幅、高さ、長さの3つの情報があればほぼ出来てましたw
ただ、サブウインドウのサイズや位置は必要だったので細かい測定は全くの無駄ではありませんでしたが。

※下の画像は型紙用DATA
完成予想図白ライン&切りかき

■STEP03-2 (木型製作)
木型今回は木型、型紙合わせて計7点と効率よくまとめました。
完成
■STEP04 (製作経過)
型絞り作業裏面ベルトのアップ。ネームもバッチリ入ってます。普段は革絞りの関係上、革の厚みは2mmで統一しているのですが、今回は裏のベルト部が少しでも丈夫に見えるように(実際間違いなく丈夫になります)お店で2mmに漉いてもらう前に少しだけ切り出して3mmのまま確保したものをベルトに使いました。

皺防止やはり、作業に入ると作る事に必死でw撮影まで頭が回りません。気がついたらこんな所まで...w
残りはケース外周の縫製と縫製後の余分な部位のカット、蓋は現物合わせにて長さを決めカット。こういうところは結構アナログでやってます。

木型と絞りここまで来ると残りはコバの処理だけです。

材料出揃い今回は追加オーダーで短めのループキーホルダーを頂いていましたが、おまけが思いつきませんでしたのでこのキーホルダーをおまけとしておつけしました。
これは上記のベルト部を3mm厚の革にした残りの材料で作りましたので普段の2mm厚に比べてしっかり感が全然違います。オーナー様は既に2mm厚のループキーホルダーをお持ちなのでその違いが良く解ると思います。

■STEP-05 (完成)
完成革製携帯ケースとしてオーソドックスなスタイルの中にも所々LEE'S PRODUCTSらしい要素がちりばめられた一品になりました。金具類はケース内には一切出ておらず、携帯本体にも優しい仕様とする為の工夫も考えられています
完成 完成 完成 完成 完成


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