さて今回の作品に関しては技術的に困難な部位はありませんでしたが、いつも思うのはキーのグリップ部が樹脂でしっかり出来ているもののカバーはちょっとやり難いなぁ、という事。樹脂で出来ているという事は握り具合や感触をメーカーが既に吟味した状態であり、そこから更に革を被せるとなると肥大化するのは明白で、如何に邪魔にならないように主張するか？というところで意匠に悩む事が多いのです。幸いこのB社のキーは小さく作られていて多少の肥大化は逆に使い勝手の良さに貢献できたと思っています。またこのキーは刺し込んだ時、車本体側との隙間が非常に少なく。普段であればキー根っこ辺りにカシメを施し、しっかりとカバーを固定したかったのですがそれも出来ません。ですので視点を切り替え、従来のキー穴を利用してスクリューネジでカバーとキー本体を固定します。当然キーホルダー穴が無くなってしまうので、カバー側にDカンをプラスしてキーホールとします。
画像作品の革はオイルヌメ赤、糸は麻（エスコード）の白、金具類はシルバーメッキを使用

■制作期間：約1ヶ月

■制作費(今後予測)：￥16,000